
金融機関に決算書を提出するときに確認したい4つのポイント
2026年10月26日 10:17
決算書は、提出して終わりではない。
数字の背景まで説明できることが大切である。
金融機関に融資を申し込む際、決算書の提出を求められるのは一般的なことです。
決算書は会社の経営成績や財務状況を伝える重要な資料ですが、
ただ提出すればよいというものではありません。
数字の背景や前期からの変化について、経営者自身が理解し、
必要に応じて説明できることも大切です。
決算書は、過去の実績を報告するだけでなく、
金融機関に自社の現状や今後の見通しを理解してもらうための資料でもあります。
今回は、金融機関に決算書を提出する前に確認しておきたい4つのポイントを整理します。
日頃の財務管理や金融機関との対話にも役立てていただければと思います。
1.売上・利益の変化を説明できるようにする
まず確認したいのは、売上や利益が前期と比べてどのように変化したかという点です。
売上が増えていても、利益率が低下していれば、原価や販売費などに課題があるかもしれません。
反対に、売上が減少していても、利益率の改善によって利益を確保できている場合もあります。
金融機関に説明する際は、数字の増減だけでなく、その背景も整理しておきましょう。
売上・利益が変化した理由と、その変化に対して会社がどのように対応しているかを
説明できることが大切です。
2.貸借対照表の内容を確認する
損益計算書だけでなく、貸借対照表も重要です。
例えば、売掛金が大きく増えている場合、
回収条件の変化や回収遅延がないかを確認する必要があります。
在庫が増えている場合も、
販売見込みや滞留在庫の有無などを確認しておきたいところです。
また、借入金の残高や返済状況、純資産の状況なども、
財務基盤を把握するうえで重要な情報です。
貸借対照表に表れた変化を把握し、
必要に応じてその理由を説明できるようにしておきましょう。
決算書の基本的な見方については、こちらの記事でも解説しています。
→ 金融機関は決算書のどこを見る?融資判断でチェックされるBS・PLのポイント
3.決算書に表れにくい情報も整理する
決算書は過去の実績を示す資料ですが、
会社の現状や将来の見通しをすべて表しているわけではありません。
例えば、大口取引先との契約、新規事業の進捗、設備投資の予定、
採用や人件費の変化などは、決算書だけでは十分に伝わらないことがあります。
金融機関との面談では、こうした事業上の変化についても、
必要に応じて説明できるようにしておくとよいでしょう。
ただし、資料を大量に提出すればよいというわけではありません。
相手が理解しやすいように、重要な情報を整理することが大切です。
過去の実績に加えて、現在の状況と今後の見通しを伝えることで、
金融機関との認識を合わせやすくなります。
4.業績の課題と改善策を整理する
業績が悪化している場合や、計画に届かなかった場合には、その事実を隠すのではなく、
原因と対応策を整理しておきましょう。
例えば、売上減少の原因が主要顧客の受注減少にあるなら、
既存顧客への提案強化や新規顧客の開拓など、具体的な対策を検討します。
原価上昇が利益を圧迫しているなら、
価格改定や仕入条件の見直しなどが考えられます。
課題そのものだけでなく、原因をどう捉え、何を実行し、
どのように改善状況を確認するのかを示すことが重要です。
まとめ:決算書は提出するためだけの資料ではない
金融機関に決算書を提出する際は、売上・利益の変化、貸借対照表の内容、
決算書に表れにくい事業情報、課題と改善策の4点を確認しておきましょう。
これらを整理することは、金融機関への説明に役立つだけでなく、
自社の経営状況を見直す機会にもなります。
決算書を「提出する資料」で終わらせず、
経営の現状と今後の方針を伝えるための資料として活用することが大切です。
金融機関との付き合い方や、日頃からの関係づくりについては
こちらの記事も参考にしてください。
→ 中小企業はどの金融機関と付き合うべき?メインバンク・サブバンクの考え方
自社の財務状況や金融機関への説明内容を整理したい場合は、
経営課題整理の壁打ちもご活用ください。